遺言書と登記原因①
こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。
遺言書は、亡くなった方が生前に残した意思です。
その内容は、残された人に対してのメッセージ的なものだったり、法律的効力が発生するものだったりします。しかし、法律用語とは非常にわかりにくいもので、例えば不動産を自分が亡くなった時に誰かにあげたいと思った時に、何と表現するでしょうか?
法律的には、あげたい人が相続人であれば『相続させる』あげたい人が相続人以外であれば『遺贈する』と表現するように言われています。
要は、もらう側が相続人であるかの身分的な違いで『相続』と『遺贈』法律的に分別されているだけのことなんです。
自筆証書遺言の場合、その辺をキチンと書き分けられているのは、よっぽど法律に明るい人でない限り、難しいところなんです。
だから、遺言書で相続人に対して『遺贈する』と書いていても登記の原因は『相続』となり、相続人以外の人に『相続させる』と書いてあれば登記の原因は『遺贈』と取り扱われます。
これは、亡くなった人が遺言書で残した場合の 意思を汲み取った形になっているのです。
因みに登記で相続と遺贈は、原因が登記簿に記載されるという違いだけでなく、登録免許税という税金額が違います。相続は固定資産の評価額の0.4%で、遺贈は2%と5倍の差があります。