転職で前のキャリアを活かせない!?
こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。
花冷えの週末を迎えていますが、勉強会に参加しています。
専門職の月に一度の勉強会です。
今日は弁護士の先生が講師で、
テーマは「労働者、取締役の競業避止義務と企業防衛」
難しそうなタイトルです^_^;
会社に勤務している時には、同じ業種の会社でも働くこと(開業も)が禁止される
のは、特別な技術や顧客情報や営業上の秘密が他社に流れることになるので
会社に対して誠実に 働くという趣旨に違反することになります。
もし、そのような事態になる時は、会社の承諾をもらわないと、
場合によっては損害賠償請求されたり、懲戒解雇になることもあるので注意が必要です。
これは分かります。
退職して、転職する時にも同業他社への就職が禁止される事があります。
これまでのキャリアが活かせないなんてヒドイ
職業選択の自由に違反するのでは!?と思われるでしょう?
もちろん、基本的には職業選択の自由は憲法でも認められています。
しかし、これが制限されるケースもあるのです。
その場合とは、
労働契約ないし就業規則に禁止規定があることが大前提の上で
1.合理的な理由があること
例えば、その社員のみが持っている特殊な知識、技能など譲渡性があるものについてであること
2.合理的な範囲(期間、活動など)であることl
退職後数年間〜や◯◯に関する活動などと決められていること
3.損害賠償請求をするには、前会社に重大な損害を与える態様でされた場合であること
例えば、顧客を大がかりにとる事や従業員を大量に引抜くなど
就業規則に「同業他社への転職、開業の場合は退職金の全部又は一部を支給しない」
という規定も合理的範囲では認められていますので、
転職を考えた時には、労働契約と就業規則は確認しておきましょう。
思わぬ損害賠償や退職金のカットの可能性が潜んでいるかも??