民事信託

遺言信託

Q.私たち夫婦には、知的障害をもつひとり息子がおります。私たちも高齢になり、私たちがふたりとも亡くなったあとの息子のことが心配でなりません。わたしたちが亡くなった後に息子が安心して暮らせるように準備しておきたいと考えています。 また、息子が亡くなったあとの財産は、息子と同じような障害を持った方達のために社会福祉法人へ寄付したいとも考えています。

回答

今はご両親が元気で、息子さんの面倒をみているので困ることも少ないと思いますが、両親が高齢になってくれば、息子さんの身の回りの世話も思うように出来なくなってくることが予想されます。

でしたら、両親が元気なうちから息子さんの法定後見人を選任して日常生活のことや財産のことなどを把握してもらっておけば、万一のときにも以前と同じように安心して暮らせる環境をつくることができます。

財産については息子さんの生活のための資金を確保することも考えて、民事信託の手法により信頼できる親戚などを受託者とし、息子さんを受益者として毎月きちんと金銭を受け取れるようにすることができます。この受託者がきちんと管理をしてくれているかなどは、後見人が息子さんの代わりに目を光らせておいてくれます。

また、息子さんが亡くなったあとの財産の使途についても、信託で決めておけば、社会福祉法人への寄付や受託者である親戚へ譲るということもできます。

通常の相続の場合は、両親から息子さんへ引き継がれた財産は、息子さんが亡くなって息子さんに相続人がいなければ国庫に帰属することになりますが、信託の手法を使えば、両親の思いを実現することが可能になります。