ブログ「ひと葉日記」

身近にある詐欺被害

imageこんばんは。司法書士の岩永加寿美です。

 

テレビや新聞で毎日のように報道される、高齢者のお金を狙う詐欺被害は、減らない。

昨年2014年の振込め詐欺などの特殊詐欺は、約13300件で、前年の2割増。

金額は、約560億円と前年比の5割増だという。

高齢者が、老後の生活の為に大切にしているお金が、標的にされている。

実は、わたしの実家にも数年前、風邪をひいて声がガラガラの兄を名乗る男から電話が掛かってきた。「会社のパソコンを壊してしまった。弁償金を払えば、クビにならずにすむ。今直ぐに200万円を振込んでほしい」電話に出た母は、落ち着いていました。兄は、精密機械を扱うこともある会社に所属しており、パソコンの修理などお手の物だと聞いていた母は、詐欺じゃないか!と気づいたことから、「そんなことなら会社を辞めて、福岡に帰っておいで。お父さんには、そう言っておくから。」ガチャン!!電話は切れました。

最近も、相談者から聞いたお話で、高齢のひとり暮らしの母親が、息子を名乗る男からの電話に騙されて、お金を振り込んでしまった。しかし、振込め詐欺は、実はお金の被害だけにとどまらないということ。母は、息子に面倒をかけまいと貯えていたお金を失い、騙された自分のことを責め、息子に申し訳ないと思い、鬱になってしまった。一方息子は、自分が傍にいたら騙されずに済んだのではないか?と後悔した。

悪いのは詐欺師で、母も息子も一切悪くない。しかし、これから先もずっと詐欺の被害に遭ったことで自分を責める事になるという、二次被害の事も忘れてはいけない。もし、犯人が捕まってお金が返ったとしても、心の傷は癒えないのだ。

何ともやりきれない気持ちになる….

もちろん、日本の警察にも詐欺撲滅に全力を尽してもらうと同時に、わたし達も、詐欺は身近にあって、自分も標的になるのだということを忘れずにいなければと思います。