ブログ「ひと葉日記」

遺言書を作るときに気をつけたいこと

こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。

10月に入りました!今年もあと3ヶ月と言われると、1年が過ぎるのが年々早くなっている気がします

 

今日は、遺言書を作成する際に決めておきたいこと。

もちろん、自分の財産を誰に相続、遺贈したいという希望や思いを書いておくというのが、遺言書の目的です。

そして、亡くなった後はその希望どおりに財産を渡すという法的な効力は、最大限に尊重されます。

しかし、「遺言書の内容は、どのように実行される?」というところまでは、なかなか考えにくいのかもしれません。

もちろん、遺言を書いた本人は亡くなっていますから、それを実行する誰か?が必要です。

 

もし、遺言書の中で「遺言執行者」を決めていれば、その遺言執行者が相続人の代理人として遺言の内容を実現します。

決めていない場合は、相続人の全員で実行することになるのですが・・・

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分かりやすく説明すると、例えば遺言書の中で「この土地は、相続人以外の○○に遺贈する」とあったとします。

この場合、登記の申請はもらう人を権利者、あげる人が義務者となる共同申請の形をとります。

あげる人は亡くなっていますので、遺言執行者がいる場合は、遺言執行者が申請人義務者となり、

いなければ、相続人の全員が登記申請義務者として実印を押印する必要があります。

相続人が多数いる場合などは、その人数分の実印の押印と印鑑証明書の取得をお願いすることになるので、時間も掛かって大変です

遺言書を作成するときに、誰か遺言執行者になってもらえる人を決めておけば、不動産の手続に限らず金融機関などの手続がスムーズに進みます。

 

もし、遺言書の中で遺言執行者のことを決めていなくても、家庭裁判所に遺言執行者を選任してもらうこともできます。

選任の申立は、相続人、受遺者、相続関係者などの利害関係人であれば申立することができます。

相続人の中に行方不明の人がいたり、協力的でない人がいる場合は、選任申立することになると思います。

この場合も、家庭裁判所の手続を経ることになりますので、多少の時間を要することにはなります。

 

遺言執行者は、相続人の中からでも財産を遺贈される人でも第三者でも特に制限はありませんが、未成年者と破産者は就任できませんのでご注意を