ブログ「ひと葉日記」

株式の総数引受契約について

こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。

今日の福岡は朝からみぞれ混じりの雪模様

寒いっ

 

会社法も施行からはや10年を迎えようとしています。

あのときは、商法の大改正ということで必死に勉強しましたが、

あれから10年・・・・・歳とりました 

ということではなく、それに伴ってここ数年間、少しずつ改正がされていたりします。

また、それに伴っての登記事項の変更なども行われています。

昨日の研修でも改正点を中心に登記実務に沿った内容になっていました。

特に私のお客様の関係するところで、重要なところとしては「監査役の監査の範囲を会計に関する旨の定款の定めがある」については、先日のブログ(平成27年 月 日)に書いていますので、そちらから

 

もうひとつは、募集株式の発行等についての変更点です。

株式会社が募集株式の引受、申込をしようとする者に対し、募集事項等を通知し、申込をするものは氏名、住所等を記載した書面を交付して申込むことになっています(会203条)が、株式総数引受契約(1人または数人が株式全部を引き受ける内容)をする場合は、この手続は不要とされています。

 

これに加えて、募集株式が譲渡制限株式であるときは、割当てに関する事項の決定につき、事前の株主総会の特別決議(取締役会設置会社では取締役会の決議)によって、株式総数引受契約の承認を受けなければならない。とされました。

 

これは、譲渡制限株式を株主が譲渡する場合に、株主総会(取締役会)の承認が必要であるということとのバランスをとったものと言われています。

譲渡制限会社にとっては、誰が株主か?がとても重要だからなのです。

 

通常、規模の大きくない株式会社では、運転資金が欲しい、それなら資本金を増やそう、株式を発行しようと言う場合は、誰がいくら出資するかは既に決まっていることがほとんどです

だから、そうと決まれば、すぐに実行したいという時に、株式総数引受契約でやることが多いです。最速で、1日での株式発行が可能です。

迅速に株式を発行して、資金調達ができるので、よく使われる手法です。

Balance sheet