第4回おひとりサマ知的研究部開催~
こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。
先月、29日に開かれた、第4回目のおひとりサマ知的研究部は、
体調を崩されて、欠席などもありましたが6名のご参加をいただきました!
ドラマ「遺産争族」を司法書士が斬る!というタイトルで、私が遺言や相続に関するお話をさせていただきました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。いかがだったでしょうか?
この日までに、ドラマ「遺産争族」を三度見直して、台詞などポイントになるところを探して、
司法書士目線で解説していきましたが、一番盛り上がったのは、予想外のところでした
ドラマの中で、おじいちゃんが、病室で自筆証書遺言を書いたものの、印鑑を忘れたので
孫婿に「部屋の引き出しに印鑑があるから押してくれないか?」と頼んで印鑑を押してもらい、遺言書を完成させるという場面・・・
自筆証書遺言は、その要件が厳しく決められており、その要件がひとつでも欠けると遺言書自体が無効になるおそれがあります。
ちなみにその要件とは、①全文自筆で書くこと②日付を書くこと③署名押印をすること
なのですが、今回問題になったのは、③の押印を他人がした場合は、有効か?無効か?ということでした。
結論としては、押された印鑑が遺言者本人の印鑑で、押印を頼んで押された場合は、有効というのが判例の見解です。
今回はそこから、ちょっと脱線して、印鑑の種類やその意味について解説をしました。
みなさん、普段から押していますがその意味だったりをよく知らなかったのかもしれません。
「この場合は??」の質問が次々の飛び出しました
1.実印・・・市区町村に届け出た印鑑で、印鑑証明書が発行されるもの
2.銀行印・・・各銀行に届け出た印鑑で、銀行の手続に必要なもの
3.認印・・・それ以外の印鑑で、文書や契約書から宅配便の受け取りまで様々な場面で使われる印鑑
1.2.3.はそれぞれ兼用しているケースもありますね。
どれも、印鑑を押すということは、その印鑑の持ち主(本人)がその行為に関与しましたということを証明するもの。
つまり、契約だったり、宅配便の受け取りだったり、銀行手続だったりに本人が間違いないという意思表示をしたということを認めるものです。
特に実印+印鑑証明書が添付されている文書は、本人が関与したとみなされますので注意が必要です。
※みなされる・・・本人が関与しているということが大前提で、裁判では本人が関与していないこと(例:盗まれた)を証明できなければ、関与したと決めつけられるというもの
逆にそれ以外の印鑑の場合は、相手側が本人が押したことを証明しなければならないというルールになっています。
だから、実印は厳重にそれ以外の印鑑もきちんと管理して保管しておかない、と無用なトラブルの原因になることも
それを考えると、家族が受け取る宅配便の印鑑を玄関において共有するくらいであれば、いいかもしれませんが(これもリスクあり)
家族であっても、印鑑を共有する、保管場所をお互いよく知っているなどということは避けた方がいいと思います。
まだまだ、印鑑についての話は尽きませんが、次回は印鑑をテーマにするっていうのも面白いかもしれません