不在住証明書
こんにちは。司法書士岩永加寿美事務所 事務職員の木村です。
「申請された住所と氏名が一致する住民票や除票などが存在しないことを証明」するものです。
つまり「◯◯さんは、福岡県A市・・・に住民票がありませんよ」と証明してくれるのです。
同じく戸籍についても「不在籍証明書」があり、一般に「不在住不在籍証明書」とひとくくりに言われていたりします。
では、なぜこのような証明書をとらなければならないのでしょうか。
相続などの名義変更登記においては、被相続人の同一性を証する書面として、登記簿上の所有者Aと戸籍上のAが同一人物であることが分かる書類を示さなければなりません。
「登記簿上の住所」と「本籍地」が記載された証明書があれば、同一人物であることを証明できます。
戸籍には、「本籍地」と「氏名」は書いてありますが、「住所」が分かりません。
そこで、住民票の除票や戸籍の附票を添付しますが、これらの保存期間は5年間と決められているので、5年経過すると役所側で廃棄され、以後、取得することができなくなってしまいます。
相続登記などでは、被相続人が亡くなられてから長期間経過している場合もよくあるため、
このようなときに、不在籍証明書や不在住証明を使って「Xは確かに登記簿上の住所(A市)に住んでいました。そして現在、登記簿上の住所(A市)と同じ住所・本籍においてAという人物は実在していません。よって、登記簿上のX(A市)はX(B市)と同一人物である可能性が高いです。」
というような、ある種消極的な証明をすることになります。
この書類を添付することで、法務局は登記手続きを進めてくれます。
但し、法務局によっては登記済証のコピーや相続人の上申書も提出するように求めてくる場合があるようです。
今年8月には、「住民票の保存期間が150年に!」といったニュースもあり、気になるところです