任意後見契約
Q.わたしは夫に先立たれ現在はひとり暮らしです。息子たちは海外勤務でしばらく帰国の予定もありません。最近は、わたしも高齢になってきて物忘れもでてきました。ひとりで暮らしているといろいろなことが不安になります。
最近は、高齢者を狙った悪質商法だとか投資詐欺などのニュースも多く見られますし、もし病気などで入院することになった場合にも息子もすぐには帰って来ることができません。
そこで、今後のことについて元気なうちに決めておきたいと思っています。できるだけ子供たちには面倒をかけず、亡くなったあともスムーズに引き継げるよう、準備しておきたいと思っています。亡くなったあとの財産のことやお墓のことなどは、遺言を書こうと思っていますが、痴呆などで判断が出来なくなってしまったときのことなど不安があります。なにか利用できる制度はありますか?
回答
平成12年4月の法律改正により将来、判断能力が衰えたときに備えて予め後見人になって欲しい人と契約をしておく「任意後見制度」が新設されました。この制度は、自分がしっかりしているうちに後見人となる支援者を決めておき、万一のときには何をして欲しいという希望を伝え、頼んでおくことができます。
また、亡くなったあとのことは、遺言書を作成して、誰にどの財産を相続させるか?お墓は誰が引き継ぐのかを決めておくことが出来ます。その際には遺言執行者を決めておくと、預金の引出しや名義変更などもスムーズにできます。この遺言執行者は、相続人である必要はなく、第三者でも構いませんが、経験豊富な専門家をお勧めします。