負担付き遺贈・遺言書取消
Q.私たち夫婦には子どもがおりません。私の妹の子である甥を小さな頃からかわいがり、夫は「私が亡くなったら、不動産はすべて甥に遺贈する。
その代わりに足の不自由な妻が亡くなるまで自宅に住まわせ、生活全般の面倒をみて欲しい」という内容の遺言書を残して亡くなりました。
その後、遺言書のとおり甥は夫名義の不動産の全てを受取りました。しかし、夫が亡くなってから甥は一向に顔を見せず、私の面倒などみるつもりはないようです。私の面倒をみると夫の前では言っていたのに本当に腹がたちます。どうにかできないものでしょうか?
回答
財産を受け取っているにもかかわらず、甥が受け取るにあたっての義務(面倒をみる)を履行しない場合、まずは甥ごさんに「面倒をみることを条件に夫は不動産をあげたのだから、きちんとやることはやって下さい」という催告をしたうえで、それでも何もしないような場合は、家庭裁判所に遺贈の取消を申立てることができます。
このような場合は、奥様がご自身でこのような手続をとるのも大変だと思います。
できれば様々な可能性を想定した上で、遺言の中で、専門家などを遺言執行者に指定して、様々な手続をしてもらう方がよいかもしれません。