後見人選任
Q.父が87歳で亡くなりました。父が亡くなったあと、母は張り合いをなくしたのか、急に老け込みました。もともと80歳をすぎた頃から物忘れがひどくなり、先日、訪問販売で20万円もする浄水器を購入していました。
母に尋ねると「知らない。わたしは買ってない。」というので、すぐに業者に連絡。クーリングオフ期間内でしたので、代金も全額返却されました。わたしも妹も結婚して遠方で暮らしており、頻繁に帰ることはできません。また、同じようなことがあると困ります。何か手だてはありませんか?
回答
お母様の場合、いちど病院で判断能力の低下がみられるかどうかの検査をされることをお勧めします。認知症外来、物忘れ外来など専門科を設けている病院も増えています。
病院では、問診や記憶力をチェックするテスト、MRI画像診断などの検査を行います。最終的に、 (続きを読む…)
任意後見契約
Q.わたしは夫に先立たれ現在はひとり暮らしです。息子たちは海外勤務でしばらく帰国の予定もありません。最近は、わたしも高齢になってきて物忘れもでてきました。ひとりで暮らしているといろいろなことが不安になります。
最近は、高齢者を狙った悪質商法だとか投資詐欺などのニュースも多く見られますし、もし病気などで入院することになった場合にも息子もすぐには帰って来ることができません。
そこで、今後のことについて元気なうちに決めておきたいと思っています。できるだけ子供たちには面倒をかけず、亡くなったあともスムーズに引き継げるよう、準備しておきたいと思っています。亡くなったあとの財産のことやお墓のことなどは、遺言を書こうと思っていますが、痴呆などで判断が出来なくなってしまったときのことなど不安があります。なにか利用できる制度はありますか?
回答
平成12年4月の法律改正により将来、判断能力が衰えたときに備えて予め後見人になって欲しい人と契約をしておく「任意後見制度」が新設されました。この制度は、自分がしっかりしているうちに後見人となる支援者を決めておき、万一のときには何をして欲しいという希望を伝え、頼んでおくことができます。 (続きを読む…)
贈与・相続時精算課税制度
Q.先日、二男夫婦から自宅の建物も古くなっているから、建て替えて、同居しようという話を持ちかけられました。家の新築費用は二男がローンを組むのですが、この機会に土地(評価2000万円)を二男の名義にして欲しいと言われました。
贈与にあたっては、費用や税金のことなども気になります。アドバイスをお願いします。
回答
土地を二男へ生前贈与するにあたっては、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与については、相続時精算課税制度を使うと、贈与税の算定にあたり、贈与された財産の価額から2500万円まで控除されますが、不動産取得税(相続ではかかりません)や登記の際の登録免許税(税率が相続より高い)がかかります。 (続きを読む…)
登記識別情報
Q.マンションを買った時に、司法書士から受取った登記識別情報が見当たりません。盗られてはないと思うのですが、引越しの際に捨ててしまったのかもしれません。再発行はしてもらえますか?
回答
登記識別情報とは、権利を取得した際(所有権や抵当権の設定等)に不動産ごとに法務局のシステムが無作為に割り当てた12ケタの記号番号です。
以前の登記済権利証とは違って唯一性(権利証は1つしか存在しない)がありませんので、キャッシュカードの暗証番号と同じで、登記識別情報の記号番号だけでは不動産を盗られるということはありません。実際に盗ろうとすれば、登記識別情報の他に所有者(抵当権者)の実印や印鑑証明書がなければ実行はできません。 (続きを読む…)
会社の印鑑証明書は、どこで取得できますか?
回答
法務局が発行した印鑑カードがあれば、全国どこの法務局でも印鑑証明書を発行してもらえます。取得の際には、申請書に会社の商号、本店、代表者の氏名と生年月日を記入する必要がありますが、会社の実印を持参する必要はありません。
ただし、印鑑カードを忘れた場合は、発行してもらえませんので、ご注意ください。
また、平成26年6月から福岡県大牟田市では、市役所でも会社の登記事項証明書や印鑑証明書を取得できます。
会社の印鑑カードを紛失しました。どうすればよいですか?
回答
印鑑カードを紛失した場合は、最寄りの法務局に印鑑カード紛失の届けと再発行の申請をする必要があります。その際には、会社の印鑑と代表者の個人の実印と代表者個人の印鑑証明書が必要になりますので、ご準備ください。
役員の変更登記
設立してからこれまで、役員の入れ替わりはなかったので特に登記はしていませんでした。役員の1人が辞任して後任者を選任したため、法務局へ登記の申請を行い無事完了しました。数ヶ月後、突然罰金の支払い通知が届き驚きました。どういうことなのでしょうか?
また、これは前科になるのでしょうか?
回答
平成18年会社法施行前の株式会社は、定款変更をしていない場合、役員の任期は、取締役は2年、監査役は4年となっています。役員の変更登記は、役員の入れ替わりがなくても、任期満了により同じ役員を選任した(重任)場合でも、その都度法務局へ役員変更登記を申請しなければなりません。
役員の任期
会社法になってから、株式会社の役員の任期を10年に出来ると聞いたのですが、そのメリットとデメリットを教えてください。
回答
会社法では、株式の譲渡制限規定を定款に置いている会社(非公開会社)においては、定款で役員の(取締役、監査役)任期を最長10年まで伸長することができます。
そのメリットは、役員変更登記申請には登録免許税が3万円(資本金の額が1億円未満でかつ負債の額が5億円未満の場合は1万円)かかります。これが通常2年毎に役員の登記が、10年毎でよいということになります。(役員の交代などがあった場合はその都度登記は必要です)
一方でデメリットは、いつが10年かという期間管理が難しい点です。 (続きを読む…)
遺言信託
Q.私たち夫婦には、知的障害をもつひとり息子がおります。私たちも高齢になり、私たちがふたりとも亡くなったあとの息子のことが心配でなりません。わたしたちが亡くなった後に息子が安心して暮らせるように準備しておきたいと考えています。 また、息子が亡くなったあとの財産は、息子と同じような障害を持った方達のために社会福祉法人へ寄付したいとも考えています。
回答
今はご両親が元気で、息子さんの面倒をみているので困ることも少ないと思いますが、両親が高齢になってくれば、息子さんの身の回りの世話も思うように出来なくなってくることが予想されます。
でしたら、両親が元気なうちから息子さんの法定後見人を選任して日常生活のことや財産のことなどを把握してもらっておけば、万一のときにも以前と同じように安心して暮らせる環境をつくることができます。